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キングス、高い壁に阻まれ大敗 ブリッツ対応できず バスケ天皇杯決勝


キングス、高い壁に阻まれ大敗 ブリッツ対応できず バスケ天皇杯決勝 琉球ゴールデンキングス―千葉ジェッツ 第3Q、相手の激しいマークを受けるキングスの今村佳太(右)=16日、さいたまスーパーアリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2度目の天皇杯決勝に挑んだ琉球ゴールデンキングスだったが、宿敵・千葉ジェッツの高い壁が再度、立ちはだかった。バスケットボールの第99回天皇杯全日本選手権大会の決勝が16日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われ、キングスは千葉ジェッツに69―117と大敗し、2年連続の準優勝となった。千葉Jは2年連続5度目の優勝となった。前半の第1クオーター(Q)は得点の取り合いになった。キングスの初得点は岸本隆一の3点弾だったが、その後は千葉Jに3点弾を多く打たれてしまう。第2Qは千葉Jの守備に対応できず、シュートが決まらない。その間に点差をつけられてしまい32―45で折り返す。後半に入っても千葉Jにタフショットを打たされてはリバウンドを取られて、速い展開の攻撃を許した。さらに千葉Jの3点弾の確率は下がらない。キングスはヴィック・ローやアレン・ダーラムがドライブなどで得点を挙げ、ゴール下ではジャック・クーリーが得点を返すが、一度あいた点差は縮められなかった。


 リーグ戦直近3試合で平均100点超えしていたキングスの攻撃は、千葉Jの「ブリッツ」に対応できなかった。武器のリバウンドもスピードのミスマッチを使われて思うように取れず、攻守で精彩を欠いた。

 岸本隆一や今村佳太らハンドラーがスクリーンを使ってドリブルをした時に、ダブルチームでプレッシャーをかけるブリッツを第1クオーターから仕掛けられた。ハンドラーは思うように攻め込めず、攻撃を組み立てられないだけでなくパスミスから速攻された。

 リバウンドではスリービッグを使うなど高さのあるキングスに対し、千葉Jはスピードで対応してきた。ゴール下から離れた場所に外国選手を配置し、キングスの選手をゴール下から引き離すと、スピードで勝る千葉Jの選手がリバウンドに飛び込みキープされた。

 それ以外でも、キングスの守備がスイッチし、マッチアップでスピードのミスマッチが生まれるとそこを利用された。ドライブで突破されるだけでなく、フリーの状況を作られて3点弾を沈められてしまった。

 ブリッツを仕掛けられた今村は「千葉Jのハードな守備に受け身になってしまった」と試合を振り返り、「キングスとして恥ずかしい試合をしてしまった。もう一度、見直さないといけない」と厳しい表情だった。

 (屋嘉部長将)


荒川、大舞台で躍動 富樫をマーク、8得点

 ここ最近の成長が著しく、キングスの新たな守備の鍵となりつつある荒川颯が天皇杯決勝の大舞台でも躍動した。

第4Q、守備を引き付けてパスを出すキングスの荒川颯(大城直也撮影)
第4Q、守備を引き付けてパスを出すキングスの荒川颯(大城直也撮影)

 守備では千葉ジェッツの司令塔・富樫勇樹とマッチアップし、簡単にボールを運ばせない時間帯もつくった。攻撃でも第4クオーターにはキングス最後の得点となる3点弾を決めるなど、8得点を挙げた。

 好調だった富樫を次第に止められなくなり、「富樫さんに流れをやらないくらいに守備ができるようにならないと」と奮起する。20日からリーグ戦も控える。「下を向いている時間はない。自分が流れをつくれるようにまだまだ強くなっていかないといけない」と前を向いた。

 (屋嘉部長将)