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仲里、判定で王座陥落 プロボクシング 日本ライト級タイトルマッチ


仲里、判定で王座陥落 プロボクシング 日本ライト級タイトルマッチ 日本ライト級タイトルマッチ 5回、相手の打ち終わりに合わせ左フックを狙う仲里周磨(左)=9日、東京・後楽園ホール
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 プロボクシングの日本ライト級タイトルマッチ(10回戦)が9日、東京・後楽園ホールで行われた。王者の仲里周磨(27)(オキナワ、中部商高出)が2度目の防衛を懸けて、同級1位の三代大訓(横浜光)と最終10回まで激闘を繰り広げたが、判定0―3で敗れた。5回までを終えて公開されたジャッジではリードしていたが、後半に左ジャブやカウンターを浴びるなど手数で上回る相手に逆転を許した。戦績を20戦14勝(8KO)3敗3分けとした。仲里は昨年4月のタイトルマッチでKO勝ちして県内ジム所属で21年ぶりにタイトルを獲得し、12月に豊見城市の空手会館で行われた試合で初防衛に成功していた。

後半強打不発、逆転許す 6年半ぶり再戦、雪辱ならず

 無情のアナウンスが流れると、リング上で大きなため息をついた。因縁の相手・三代に判定0―3で屈し、仲里は2度目の防衛に失敗。聖地・後楽園ホールから沖縄にベルトを持ち帰れず、「勝てると思っていたが」と唇をかんだ。

 中間距離から接近戦で強打を打ち込むことが、最強挑戦者への対策だった。1回からジャブ、右ストレートなどがヒット。想定通りの展開になった。5回終了時には3者いずれも48―47。試合の主導権を握っていたが、6回以降、ガードを固める三代に狙っていた右フックが当たらない。「相手が亀みたいになったので、どうしていいか分からなかった。そのうちにジャブでポイントを取られてしまった」。誤算が大きな敗因だ。

 6年半ぶりの再戦だった。17年10月に対戦し、ダウンの応酬の末に判定負けを喫した。王者としてリベンジに燃え、1月からは県内のゴルフ場、海岸などで走り込み、2月には約3週間、首都圏でスパーリング合宿を敢行。帝拳ジムなどに足を運び、実戦練習を積んできた。

 「前回は何もできなかったけど、きょうは持っているものを出せた。すっきりはしている」と言葉をつないだ。WBCで11位にランキングされ、世界も近づいていた。だが、リベンジを果たせず、王座から陥落。「今後のことはゆっくり考えたい」。まだ27歳。再起の時間は十分にある。

 (伊藤隆運動通信員)


 ◇ボクシング(9日・後楽園ホール)

▽日本ライト級タイトルマッチ10回戦

三代大訓(横浜光)61.0キロ 判定 仲里周磨(オキナワ)61.0キロ