陸上競技の第75回沖縄選手権大会兼国スポ大会選考会は11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで開幕し、女子A走り幅跳び決勝は喜久里彩吹(那覇国際高)が5メートル94の県新記録で優勝した。男子A400メートル障害決勝は津波古陸斗(なんじぃAC)が52秒60、同800メートル決勝は外間勇太(友睦物流)が1分52秒74の、それぞれ大会新記録で頂点に立った。
筋トレ、走り込み奏功
女子走り幅跳びの喜久里彩吹(那覇国際3年)が、県記録を20年ぶりに飛び越した。4度目の試技で、これまでの県記録を6センチ上回る5メートル94をたたき出した。「自己ベスト更新を狙っていたので、率直にうれしい」と笑顔を輝かせた。
記録更新の鍵は助走の改善にあった。2月ごろから助走を2歩増やし、距離を多めに取るようにした。これまでに同じ改善を試みたこともあったが、体がついていかずに結果を出せなかった。冬に筋力トレーニングや走り込みに力を入れて、2歩の重みを克服。昨年と比べてより多くの練習を積めた結果だった。
3度目の試技までは上半身と下半身の動きがかみ合わなかった。踏み切りのラインを気にして力もうまく伝えられない。1、2度目の記録は5メートル50台後半にとどまり、3度目はファウルとなった。焦りもあったが「1センチでも前に」と失敗を恐れず走りだした。これまでと異なり、改善後の助走もうまくはまった。体重を乗せて前へと踏み込み、力強く跳ぶことができた。
1年生の時に自己ベストを更新して以降、けがや不調などに悩まされた。「苦しい思いだった」と振り返る。全国での入賞を目標に「チームメイトや先生に恩返ししたい」と夏を見据える。
(名波一樹)