第106回全国高校野球選手権沖縄大会第2日は23日、沖縄セルラースタジアムなどで1回戦8試合を行った。沖縄工は那覇商を4―2で下した。前原は昭薬付に7―0の七回コールドで勝利した。那覇西は豊見城南に6―5で、読谷は石川に4―0で勝利した。沖縄尚学は名護を6―4で、浦添商は具志川を10―5で下した。首里は名護商工に11―0で五回コールド勝ち、宜野湾は本部に8―0で八回コールド勝ちした。29日は同会場などで1回戦7試合が行われる。
復帰のエース下地、投打で躍動
帰ってきたエースが沖縄工の勝利に貢献した。肩を故障していた下地夏獅(3年)は、春大会ではマウンドに立てなかった。夏は1番を背負って先発登板。5回を投げて1失点に抑えたほか、打撃では適時三塁打を放つなど存在感を発揮した。手に汗握る熱戦だったが「平常心で楽しんで投げられた」と頼もしかった。
1―0で追加点のほしい二回無死一塁。安座間竜作監督から打席に立った下地に、「強くいけ」のサインが送られた。ボール球を見送り、甘く入ったスライダーを一振り。打球は右中間へと伸びる適時三塁打となり、走者をかえして2―0とリードを広げた。さらに捕手の八木龍王(2年)の適時打でホームを踏むと、仲間に笑顔で迎えられた。三回にチームはさらに1点を奪った。
投球では「カーブの調子は悪かった」とまだ完全ではないものの、緩急を使いながら外角を攻め立てた。五回に安打を浴びたが、八木から「押せている。大丈夫」と声を掛けられ自信を持って腕を振った。六回から継投した大城秀介(3年)は、最終回で打球が首元を直撃するアクシデントに見舞われたがすぐに拾って一塁へ送球。アウトをもぎとる執念を見せた。
安座間監督は「タフな試合だったが、普段の練習から一瞬一瞬での連携を意識していたのが良かった」と語り、選手らの健闘をたたえた。
(名波一樹)
▽1回戦
沖縄工
121 000 000|4
000 010 010|2
那覇商
(沖)下地、大城―八木
(那)上村、池原常誠、知名―池原常煌
▽三塁打 下地(沖)
▽二塁打 具志堅(沖)、花城(那)
●接戦に敗れ涙をこらえる那覇商主将の田崎和(3年) 力は出し切った。春に失策を出して責任を感じていた。チームとしても安打も多く、失策は0だったが敗れた。今日のプレーには悔いはない。この経験を生かし、後輩たちは甲子園に行ってほしい。