比嘉歩(本部中2年)が三つ同時に日本中学新記録をマークし、2位に80キロ差をつけた。重量挙げの第38回全日本男子中学生選手権大会が14日、茨城県の高萩市文化会館で行われ、男子61キロ級に出場した比嘉がスナッチ108キロ、ジャーク118キロ、トータル226キロで優勝し、昨年に続き2連覇となった。スナッチ、ジャーク、トータル全てで日本中学新記録をマークした。
減量しすぎるというピンチに見舞われた比嘉歩(本部中2年)だったが、2位に80キロ差をつけ圧勝した。大会2連覇とアジアユースに選出されるために必要なトータル224キロ突破という目標を掲げてスナッチ、ジャーク、トータルの全てで日本中学記録更新で達成した。「100点満点でいうと100点以上あげられる」と声を弾ませた。
減量していたが、大会前日から当日にかけて、食事が少量しかのどを通らず、いつもの大会より1キロ近く体重が減った状態で挑むことになった今大会。練習からバーベルが重く感じた。それでも二つの目標達成のため、スナッチ1本目から日本中学新記録となる105キロを挙げた。2本目も成功させたが、3本目の110キロは「パワーが出なかった」と体重が減りすぎた影響は隠せず失敗した。それでもジャークでは110キロ、116キロと成功させると、3回目は練習でも一度も触ったことのない118キロ。思わずバランスを崩してしまったが「気持ちで挙げた」と立て直し、差しきった。
大会を連覇し、アジアユース出場もほぼ確実にした。11月にフィリピンで開催されるアジアユースは比嘉にとって初めての国際大会。それまでに練習量を重ねつつも、その成果を出し切るためにも大会当日までのコンディション調整も大事にしたいという。「世界のライバルの選手たちを見て、今の自分がどれくらいの位置にいるか知りたい。世界でもちゃんと戦える選手になりたい」と残りの期間でのさらなる成長を誓った。
(屋嘉部長将)
【男子】
▽55キロ級 (11)岩崎宇来(東風平)トータル93キロ(スナッチ43キロ、ジャーク50キロ)
▽61キロ級 (1)比嘉歩(本部)226=中学新(108=中学新、118=中学新)