高校野球の秋季九州大会(第155回九州大会)第2日は27日、大分県の別大興産スタジアムなどで1回戦の残り4試合を行った。沖縄尚学は初戦の佐賀北(佐賀2位)に3―2で逆転勝利した。沖縄尚学は二回に先制点を奪われたが、五回に末吉良丞の適時打などで2―1と逆転した。最終九回にも比嘉大登の適時三塁打で1点を追加しリードを広げた。その裏の守りで1失点したが、末吉の粘投で逃げ切った。鹿児島実は明豊(大分)を2―1で破った。有明は海星(長崎)に延長十一回タイブレークの末、7―6でサヨナラ勝ち。西日本短大付は聖心ウルスラ学園(宮崎)を14―2の七回コールドゲームで下した。準々決勝の顔合わせが決まり、28日に育徳館(福岡)―柳ケ浦(大分)、エナジック―壱岐(長崎)、29日に有明―西日本短大付、沖縄尚学―鹿児島実が行われる。
好機逃さず積極打撃 安谷屋、比嘉が軸に
沖縄尚学の上位打線が打ちあぐねる中、6番・安谷屋春空と7番・比嘉大登が痛烈な打球を飛ばし、準々決勝に駒を進めた。
背を追う五回。安谷屋の単打に敵失が絡み、1死二塁の好機が生まれた。二回に失策し、挽回に燃える比嘉が「(安谷屋を)かえして同点に」と左奥への適時二塁打を放って1―1。その後の勝ち越し打で生還した。
最終九回表の攻撃では、再び2人が試合を動かす。先頭の安谷屋が「狙い玉を絞った」とスライダーを右中間へと運んで二塁打に。続く比嘉の右中間への適時三塁打で追加点を挙げた。
先制を許したチームだが、2人を軸に逆転勝利。2安打でチャンスメークに徹した安谷屋は「積極的に自分のスイングができた」と胸を張る。3安打2打点の比嘉は「打撃は満点だが、エラーしたので60点かな」と悔しげだった。
比嘉公也監督は「打ってほしい右の2人に長打が出た」と評価した。
(名波一樹)
「1点守る」奮い立つ エース・末吉 攻守で躍動
沖縄尚学の1年生エース・末吉良丞は、7奪三振で完投、打っては1打点と攻守で躍動した。
序盤は緊張から制球の乱れもあったが、「甘くてもいいので自分のフォームで」と直球を軸にスライダーで攻め立てた。
2点リードで迎えた最終九回。ソロ本塁打を浴びた後、2死二塁のピンチにも立たされた。それでも「この1点を守り抜く」と自身を奮い立たせ、最後は一ゴロで締めた。
末吉は「緊張もあって本調子ではなかったが、バックが守って粘り勝てた」と汗を拭った。
(名波一樹)
▽1回戦
沖縄尚学
000 020 001|3
010 000 001|2
佐賀北
(沖)末吉―山川
(佐)稲富―片渕
▽本塁打 秋好(佐)
海星(長崎)
000 300 010 11 |6
102 100 000 12x |7
有明(熊本)
(延長十一回、十回からタイブレーク)
(海)陣内―小川
(有)斉藤、工―西山
鹿児島実
100 001 000|2
000 001 000|1
明豊(大分)
(鹿)大野―島田
(明)寺本、大堀―辻田
西日本短大付(福岡)
064 010 3|14
001 100 0|2
聖心ウルスラ学園(宮崎)
(七回規定によりコールドゲーム)
(西)中野、原―山下
(聖)武田、楠原、中山―木村
▽本塁打 山下(西)
(名波一樹)