社会福祉主事の資格持つ/サンクスラボ 島袋友希さん


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 「事業所内ではみんなから愛される存在ですよ」。そんな職員の言葉に「今は緊張しています」と顔がほころぶのは、那覇市久米にあるサンクスラボの島袋友希さん(26)=浦添市。事務所の机のパソコンに向かい、真剣なまなざしでデータを入力していく。
 サンクスラボに通い始めたのは2022年1月。企業リストのデータ入力作業を担いながら一般企業への就労を目指す。以前は岡山県にある職業訓練校に通い、パソコンの文書作成や事務作業などを学んだ。「自分のペースでストレスなく仕事ができて楽しい。訓練校で学んだ知識が役に立っている」
 小学校6年の時、脳出血で倒れた。高次脳機能障がいで右半身にまひが残る。当時、体が思うように動かない状況に混乱したという。自分自身で納得するまでに時間がかかり、親ともたくさんけんかしたと振り返る。
 高校卒業後は県内の大学に進学し、社会福祉を専攻した。これまでの体験を振り返り、人の役に立ちたいとの思いからだった。社会福祉主事の資格を持つ島袋さん。「将来的に資格が生かせれば」と今後を見据える。
 支援員の小泉海斗さんは「笑顔がすてきで自然と人が寄ってくる存在。仕事も正確で速い」と評価する。
 7月から車いすサッカーチームに所属している。週に1回、練習で汗を流す。目標は12月の大会に出場すること。「まだ初心者ですが」とはにかんだ表情を見せる。最近届いたチームのTシャツを見ながら大会出場への決意を新たにしている。 (渡真利優人)

仕事と車いすサッカーに励んでいる島袋友希さん=4日、那覇市久米のサンクスラボ