未公開地図手に質問 秋本容疑者 贈賄側の入手2日後


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 洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、青森県が2019年2月に県内の洋上風力について「立地が困難なエリア」を示した地図などを贈賄側の日本風力開発に提供した直後、衆院議員の秋本真利容疑者(48)=自民党を離党、比例南関東=が過度な規制をしないよう国会で質問していたことが8日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は県内で事業参入を検討していた同社の塚脇正幸前社長(64)が規制を懸念し、質問を依頼した可能性があるとみている。
 青森県によると、秋本容疑者は県作成の資料を手に質問していたという。県の関係者は「(秋本容疑者が)入手した経緯は不明」としている。
 秋本容疑者は受託収賄容疑を否認。在宅のまま捜査されている塚脇氏は贈賄容疑を認めている。
 同社は17年以降、青森県・陸奥湾などで環境影響評価(アセスメント)を実施し、参入を検討してきた。秋本容疑者がアセスメントの制度を変更するよう国会で質問していたことも判明。事業者側の負担軽減などを目的とした発言とみられる。
 青森県は17年、環境省の委託を受け、県内の海域について、船の航行や自然環境、防衛関連施設への影響などを調査し「ゾーニングマップ」を作成する作業を始めた。
 19年2月、「立地が困難なエリア」「調整が困難または特に配慮が必要なエリア」などを示した地図、防衛関連施設への影響を示した地図などが完成。県は同25日、こうした資料をアセスメントを進めていた日本風力開発など4社に提供した。
 その2日後、秋本容疑者は衆院予算委員会分科会で、一般公開されていなかった防衛関連施設への影響を示した地図を手に質問し「過度な規制」をしないよう要請した。