追加の水産支援検討 処理水問題 輸出で脱中国依存も


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 衆参両院は8日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り経済産業、農林水産両委員会の連合審査会をそれぞれ開いた。西村康稔経産相と野村哲郎農相が出席。西村氏は午前の衆院で、風評被害が懸念される水産業への支援について「機動的に予算を確保して万全を期したい」と強調。現時点で基金を積み増す予定はないと述べつつ、必要に応じて追加対応を検討する考えを示唆した。
 午後の参院では、野村氏が水産物の輸出先を開拓し、中国市場に依存する現状からの転換を目指すと表明。与野党議員からは水産業への支援徹底を求める声が相次いだ。
 8月24日の処理水放出開始後、この問題を国会で審議するのは初めて。処理水を「核汚染水」と呼んで日本産水産物の全面輸入停止に踏み切った中国に対し、西村氏は「一般論として紛争解決手続きの利用も含め、さまざまな選択肢を不断に検討していく」と述べ、世界貿易機関(WTO)への提訴も選択肢との考えを示した。