国会質問との関連焦点 競走馬組合の利益も


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 洋上風力発電事業を巡り衆院議員秋本真利容疑者(48)が受託収賄容疑で逮捕された事件では、日本風力開発の塚脇正幸前社長(64)が提供した多額の資金が国会質問とどう関連するか、2人が設立した競走馬の組合が秋本容疑者にとって利益となっていたのかどうかが焦点になる。
 東京地検特捜部に対し、塚脇氏は資金は国会質問の謝礼だとし、贈賄容疑を認めているとされる。ただ当初は賄賂性を否定していた。秋本容疑者は政治的信条から質問したとしており、検察側に徹底抗戦の構えだ。
 受託収賄罪は、贈賄側から自身が有利となるような一定の行為を求める「請託」を受けていた場合に成立する。
 東京五輪汚職事件では、大会組織委員会元理事が同罪に問われ、検察側はメールや録音などに基づき贈賄側の請託内容を立証した。今回の事件でも、こうした“物証”があれば、秋本容疑者にとって不利になる。
 特捜部は秋本容疑者が競走馬の組合を実質的に管理し、塚脇氏からの資金が秋本容疑者への賄賂に当たるとみて捜査。関係者によると、組合について「秋本容疑者の財布」とみなしているという。
 これに対し、秋本容疑者は「自分も組合の資金を一部負担していた。組合の労務にも従事していた」との認識を示している。組合が設立された経緯、運営の実態、提供資金の使途などが捜査のポイントになりそうだ。