厳 安林氏 (上海国際問題研究院 学術委員会主任) 安倍氏発言 米覇権の利益


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 「台湾有事は日本有事」。安倍晋三氏のこの発言は中国の内政に干渉し、中国の平和的統一を不可能にしようとしているのではないかと受けとめられている。日本政府が台湾海峡問題に介入・干渉すれば、両岸の統一は「平和的方式」での実現が困難になる。
 この発言は米国の覇権の利益には合致する。米国は、台湾をてこにして中国をけん制し、世界的な覇権を維持するために、中国の発展を阻止するために「台湾カード」を切っている。日本は中国攻撃の「駒」および「先兵」にしかならない。
 この発言が現実となれば、沖縄は戦争の最前線になる。従って「日本有事」は「沖縄有事」で、沖縄を戦場にし、沖縄を米国覇権の「スケープゴート」にすることだ。
 私の結論は、台湾も台湾海峡も有事にならないということだ。前提条件は日本政府が台湾海峡で問題を起こさないことだ。台湾と台湾海峡が無事ならば、日本も無事で沖縄にも問題は起こらない。そのようになれば、私たちが今日一堂に会してコミュニケーションを取った価値がある。

「台湾有事は日本有事ではなく、さらに沖縄有事にしてはならない」と語る上海国際問題研究院学術委員会主任の厳安林氏