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「飼い主の心構え」学ぶ場を ペット業界、行政と連携の動き


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 イヌやネコを飼う上での心構えや適正な飼育方法を学ぶ場を、ペット業界と行政が連携して設ける動きが出ている。行政が保護した動物の引き取り手を見つけるとともに、再び飼育放棄されるような事態を減らすのが狙いだ。
 ペット専用ホテルや飼育用品販売を手がけるイオンペット(千葉県市川市)は、千葉市と連携協定を締結。同市美浜区で昨年12月、保護動物を管理する市と飼育希望者を仲介する施設を設けた。飼うための知識や倫理を何回でも学べる無料講座も開いている。
 夫や子どもと今年6月に受講した同市の30代女性は、ネコの引き取りを検討していた。飼育にかかる費用や終末期の扱い方に至るまで説明を受け「実家でネコを飼っているが、世話は親任せだった。命に責任を持たないといけないと実感した」と気を引き締めた。
 無料講座を担当する同社の柘植由梨子さん(44)は「自身の年齢などと動物の性格や平均寿命が合うか、飼う前によく考えてほしい」と語る。ペットに関する施策を担当する千葉市生活衛生課は「保護したイヌやネコを安心して託せる飼い主を見つけやすくなる」と期待する。ペットの保護活動などに取り組むNPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」(広島市)の佐々木博文理事長(54)は「衝動的に飼い始めて捨てる人をなくすためにも、取り組みが全国に広がってほしい」としている。
イオンペットが開いた無料講座を受講後、保護されたネコと触れ合う家族=6月、千葉市美浜区