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中国ミサイルに警戒感 米海兵隊副司令官 「紛争抑止が仕事」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米海兵隊の次期司令官就任が見込まれるエリック・スミス副司令官は11日、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じ、中国のミサイル開発について「脅威は重大なものであり、一層強まっている」と警戒感を示した。中国による台湾侵攻の可能性については言及を避けつつも「安全保障条約のある日本に波及するような紛争を抑止することがわれわれの仕事だ」と強調した。
 中国は昨年8月、当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問したことに反発してミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下。スミス氏は中国のミサイルはどの国にとっても「現実的な脅威だ」と批判した。
 沖縄県に2025年までに創設する海兵沿岸連隊(MLR)を巡っては、周辺海域で起きる事象を理解するための「海洋状況把握」を同盟・友好国に対して提供し、協力を進めると説明。沖縄の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る訴訟で、県側敗訴が確定したことについては「日本の法制度を信頼している」と述べるにとどめた。
 日本政府が保有を決めた反撃能力(敵基地攻撃能力)は「抑止力になる」と支持。自衛隊の部隊運用を一元的に指揮するため新たに発足させる常設の「統合司令部」については、自衛隊の全体像を把握できるようになると評価した。
 スミス氏は日本政府高官と会談し、在沖縄海兵隊を視察するため来日。
インタビューに答える米海兵隊のエリック・スミス副司令官