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核ごみ調査促進、請願採択 長崎・対馬 最終判断市長に


核ごみ調査促進、請願採択 長崎・対馬 最終判断市長に 核のごみの最終処分場選定の流れ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を巡り、長崎県対馬市議会は12日からの9月定例会の本会議で、調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択した。賛成が10人、反対が8人だった。最終的な判断は比田勝尚喜市長に委ねられ、調査応募に踏み切るかどうかに注目が集まる。調査が始まれば北海道の2町村に続き、全国3例目となる。
 閉会後、取材に応じた比田勝市長は「重い議決だ。協議を重ね、私なりに判断したい」と言及。定例会が終わる27日にも議場で見解を明らかにし、記者会見する見通し。
 市議会事務局によると、定数19人のうち、議長を除く全員が採決に出席した。
 長崎県の大石賢吾知事は12日午後、請願採択を受け、「県として引き続き動向を注視していく」とのコメントを出した。
 最終処分場選定を巡っては、原子力発電環境整備機構(NUMO)が2002年に調査受け入れの公募を開始した。文献調査は3段階ある処分場設置に必要な調査の第1段階で、受け入れると最大20億円の交付金が出る。
 対馬市の建設業団体や市民団体が今年6月、賛否それぞれの立場から請願8件を提出していた。議長を除く全市議18人で構成する特別委員会で審議し、8月16日に委員長と欠席1人を除く16人で採決。受け入れを促進する請願を賛成9人、反対7人と僅差で採択していた。