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LGBTの交流 地方でも 北海道「一人で悩まないで」


LGBTの交流 地方でも 北海道「一人で悩まないで」 市民団体「にじいろほっかいどう」の国見亮佑さん(右)とたかしさん=7月、北海道函館市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 性的マイノリティーへの差別や偏見をなくす活動を行う北海道の市民団体が、道内各地でLGBT当事者の交流会を開いている。都市部に比べ、活動する団体が少ない地方では一人で悩むケースが多い。理事長は同じような性的指向を持つ友人ができづらかった自身の経験を踏まえ「当事者が安心できる居場所をつくりたい」と意気込む。
 「にじいろほっかいどう」理事長の国見亮佑さん=40代、仮名=は大学生の時に地域のサークルで知り合ったゲイの人と初めて友人になり「自分一人じゃない」と勇気づけられたと振り返る。
 大学卒業と同時に「一人で悩む当事者を減らしたい」と考えて啓発活動を始め、2015年に団体を設立。今年8月までに道内で当事者の交流会を100回以上開いた。
 国見さんと20年以上交際中で、共に活動する男性会社員たかしさん=40代、仮名=は「経済的な理由などで都心に出られない当事者はたくさんいる」とし、地方での交流会の必要性を訴える。
 また当事者以外への啓発活動にも力を入れている。学校などでLGBTの基礎知識や行政が取り組むべき課題について講演を行うほか、函館市のピロシキ店とコラボした「『ゲイの人』と焼きピロシキを作って食べる会」を10回以上開催。9月24日には道外初となる青森市で開く予定だ。国見さんは「都会だけでなく地方にも当事者はいると知ってほしい」と話す。
 10月には国見さんら北海道の同性カップル3組が同性婚を認めていないのは憲法違反として国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審が結審する見通し。「パートナーと長年交際しても法律上は他人のまま。同性婚が早急に実現するような判断をしてほしい」と期待を込めた。

市民団体「にじいろほっかいどう」の国見亮佑さん(右)とたかしさん=7月、北海道函館市