prime

リビア洪水 死者5300人超か 不明1万人、救助も難航


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=平野雄吾】国家分裂状態のリビアを襲った大雨による大洪水で、被災地を統治する勢力の幹部シクワート氏は13日、東部デルナでの死者が5300人以上になったと明らかにした。ロイター通信が報じた。被害の全容は分かっておらず、シクワート氏は「倍になる可能性もある」とした。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は約1万人が行方不明としている。 (7面に関連)
 国際移住機関(IOM)はデルナで3万人以上が避難したと発表。アラブ紙アッシャルク・アルアウサトは12日、デルナで被害が拡大した背景に枯れ川の上流域にあるダム2基の決壊があり、統一政府の不在による管理不足が原因だと伝えた。救助活動は難航しており、内戦が被害を大きくしたとの見方が広がる。
 シクワート氏は12日にデルナを訪問。中東の衛星テレビ、アルジャジーラなどに「随所に遺体がある。都市の25%が消えた」「まるで津波だ」と語った。
 豪雨はデルナのほか、ベンガジなど東部地域を広く直撃。外部からデルナに通じる道路が寸断されたほか、通信回線や電気も途絶えた。
 アッシャルク・アルアウサトによると、リビアには16基のダムがあり、多くは政情不安のため長期間使用されていない。統一政府がないため、水道管など関連する補修工事に充当される予算はなかったという。