琉球新報朝刊 【東京】政府が与那国島（与那国町）に新たな港湾施設の整備や与那国空港の滑走路延長を検討していることが１５日、複数の関係者への取材で分かった。港湾は町が政府に要請してきた島南部・比川地区への整備が念頭にある。２０２４年度予算に関連費用を計上するか、政府内で協議している。防衛省や海上保安庁が日ごろから公共インフラを利用できる体制づくりが目的。円滑な利用を確保することが条件で、政府は９月下旬以降、関係自治体と調整に入る。
関係者によると、政府は他にも自衛隊と共用の那覇空港や宮古島の空港、海上保安部が拠点とする石垣港について、防衛利用につながる整備を検討している。鈴木俊一財務相は９月に入って相次いで石垣市と与那国町を訪れ、中山義隆市長、糸数健一町長と面談した。
政府はインフラ整備に防衛省・自衛隊や海上保安庁の意向を反映させ、かつ管理者が日ごろの利用を認める場合に「特定重要拠点空港・港湾」に位置付けて優先的に予算措置する考え。９月下旬以降、国土交通省と内閣府、内閣官房、防衛省が関係自治体に政府の計画を説明する。
町によると、祖納港が北風の影響を受けやすいため、比川地区への港湾整備を求めている。空港の滑走路は西へ５００メートル延長して２５００メートルとする案。糸数町長は２２年９月、政府や自民党に港湾整備と滑走路延長を要請した。２３年７月には松野博一官房長官が既存の祖納港を視察した。
（明真南斗、安里洋輔、照屋大哲）
