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沖縄の米軍基地「自ら望んでない」 翁長氏・国連人権理事会でのスピーチ全文


沖縄の米軍基地「自ら望んでない」 翁長氏・国連人権理事会でのスピーチ全文 国連人権理事会で演説する翁長雄志知事=2015年9月
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 ありがとうございます。私は日本国沖縄県の知事、翁長雄志です。
 沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見てください。
 沖縄県内の米軍基地は第2次大戦後、米軍に強制接収されてできた基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。
 沖縄は日本国土の0.6%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の73.8%が存在しています。戦後70年間、いまだ米軍基地から派生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。
 自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるのでしょうか。
 日本政府は、昨年、沖縄で行われた全ての選挙で示された民意を一顧だにせず、美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしています。私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です。
 今日はこのような説明の場がいただけたことを感謝しております。ありがとうございました。 (2015年9月21日)

県民の「自己決定権」を訴えた国連演説前に、英文の原稿を念入りに読み込む翁長雄志知事(右)=現地時間の2015年9月21日、スイスジュネーブの国際連合欧州本部