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総務省推計 高齢者29%、世界トップ 80歳以上 10人に1人


総務省推計 高齢者29%、世界トップ 80歳以上 10人に1人 高齢者数と総人口に占める割合の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 18日の敬老の日にちなみ、総務省が17日公表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は3623万人だった。総人口に占める割合は前年から0・1ポイント増の29・1%で過去最高を更新し、世界トップ。うち80歳以上は27万人増の1259万人で、割合が10・1%と初めて10%を超えた。単身で暮らす人も多く、生活サポートの充実が課題だ。15日時点の推計。
 65歳以上の人数は前年より1万人減った。マイナスは比較可能な1950年以降初めて。過去1年間に、新たに65歳に到達した世代が少ないのが要因という。中期的には増える見込みで、国立社会保障・人口問題研究所は2040年に3928万人、総人口の34・8%になると推計している。
 65歳以上の56・6%は女性で2051万人。平均寿命の長さを反映し、男性1572万人を大きく上回った。総人口に占める高齢者の割合29・1%を各国と比較すると、2位のイタリア24・5%、3位のフィンランド23・6%に比べ突出している。
 75歳以上は72万人増の2005万人で総人口の16・1%を占めた。2千万人を上回るのは初めて。1947~49年生まれの第1次ベビーブーム世代が75歳を迎えているのが影響した。
 高齢者の25・2%、912万人は、2022年に仕事に就いていた。過去最多で19年連続の増加。年齢層別の就業率は65~69歳が50・8%、70~74歳が33・5%で、いずれも過去最高となった。
 就業者全体に占める高齢者の割合は13・6%で経済活動を支えている。就業先は卸売業・小売業、サービス業、医療・福祉の順で多い。
 人口推計 5年に1度の国勢調査を基に、その後の出生や死亡、出入国を差し引きし、毎月1日時点での総人口を総務省が算出している。次の国勢調査までの人口推移を把握するのが目的。毎年10月1日時点については都道府県別を含む詳細なデータをまとめている。カレンダーに合わせた特別な集計もしており、こどもの日は15歳未満の数、元日は新成人の数となっている。