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パパにもうつ病リスク 出産前後、コロナ不安


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 パートナーの出産前後の男性が新型コロナウイルス感染症に強い不安を感じていたり、家族や周囲のサポート体制が不足していたりする場合、うつ病のリスクが約2倍に高まるとの調査結果を国立成育医療研究センターなどのチームが16日までに発表した。
 同センターの帯包エリカ研究員は「父親は支援を求めにくい傾向がある。父親もメンタルに不調が出やすいことを認識して予防や対策に役立ててほしい」と述べた。
 チームは新型コロナ流行中の2021年8月、パートナーが出産前後の男性約1700人に調査。産前産後ともに「新型コロナへの強い不安」があると最も高リスクで、強い不安がない人と比べて発症リスクが2倍超だった。また、困ったときに家族の助けが得られにくい「家族機能の低さ」があると2倍弱だった。
 そのほか、産前は医療や行政などの「ソーシャルサポートの低さ」約2倍、「子ども時代の困難な体験」約1.6倍などが高リスクだった。産前産後ともにうつ病既往歴がある男性も高かった。これまでの研究で、男性も女性と同程度の約10%で産前産後うつを発症することが明らかになっているが、詳細なリスク要因は不明だった。