玉城デニー知事は国連人権理事会のスピーチで「平和への権利」を具現化するよう求めた。
日米両政府に対して同様のことを求めると「沖縄は地政学的に重要だ」「では中国はどうするのか」といった反論が返ってきがちだ。だが、国連は米国の外交力が支配的な状況ではない。沖縄が求める平和への願いが文字通りに受け入れられる土壌は日米両政府を相手とするよりも、国連の方が整っていると言える。
辺野古の埋め立て反対が有効投票総数の7割以上を占めた2019年の県民投票にも言及し、民意が反映されていない実態も訴えた。要件を満たした県民投票の結果が軽んじられていることは間違いない。県民投票や知事選挙などで示されてきた民意を強調することは、国際的にも受け入れられやすいと言える。
今回のスピーチは、困難な条件の下で、最大限の主張をしたが、今後、辺野古新基地建設問題を人権の問題として継続的に発信する取り組みが必要だ。今回つながりを持った人たちに辺野古新基地建設問題について継続的に発信する取り組みが求められる。今回の国連出席を新たな出発点とし、広範なネットワークを築くべきだ。
(政治学)