有料

煙避けても受動喫煙6%/家庭が最多、職場、パチンコ店続く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 発がん性物質を含むたばこの煙を避けて暮らしている人でも、その6%は煙にさらされる受動喫煙の被害に毎日遭っている―。そんな研究結果を大阪大医学系研究科大学院生、尾谷仁美さんと大阪国際がんセンターの田淵貴大医師が日本衛生学会英文誌に発表した。
 尾谷さんらは2022年2月、インターネット上で16~74歳の人を対象に調査を実施。約2万6千人の回答を分析した。
 たばこの煙を避けて暮らしている人で受動喫煙の被害に毎日遭っている割合は6%、月1回以上遭っている割合は21%だった。16~19歳は毎日遭うリスクが60~74歳の5倍高かった。
 被害に毎日遭う場所としては家庭が最も多く、職場、パチンコ店が続いた。月1回以上遭う場所では職場、パチンコ店、飲食店の順に多かった。
 政府は13年度からの健康づくり計画「健康日本21」第2次計画で、22年に月1回以上被害に遭う割合を医療機関や行政機関、職場で0%、飲食店で15%、毎日遭う割合を家庭で3%とする目標を設定。もっとも、19年の国民・健康栄養調査ではどの場所についても達成できていない。24年度からの第3次計画の目標は「望まない受動喫煙のない社会の実現」。厚生労働省の担当者は「どこでも0%という意味だ」と説明する。
 尾谷さんは「公共の場で徹底した禁煙を推進するとともに、家庭でも未成年者などを受動喫煙から守る対策が必要」と話す。