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対ロシア結束促す 米大統領、国連で演説


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ニューヨーク共同=新冨哲男】国連総会一般討論が19日、ニューヨークの国連本部で始まった。バイデン米大統領は演説で、ロシアの侵攻が長期化するウクライナへの支援継続を呼びかけるとともに、法に基づく国際秩序維持へ改めて結束を訴える。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国にも支持拡大を図る。
 岸田文雄首相は19日夜(日本時間20日午前)に演説する。ウクライナのゼレンスキー大統領は昨年2月のロシアによる侵攻後初めて国連総会に出席、19日昼ごろ登壇する。一般討論は26日まで。
 今回の一般討論で、バイデン氏は国連安全保障理事会の5常任理事国から参加する唯一の首脳。米国内外でウクライナ支援を巡る財政負担が増す中、継続への異論も強まっており、ゼレンスキー氏との連帯を国際社会に促す。
 バイデン氏は演説で、国家主権や領土の一体性など国連憲章の原則を強調。覇権主義的な動きを強める中国をにらみ、経済的威圧や人権弾圧を看過しない方針も重ねて示す。軍事的な示威行為などにさらされるインド太平洋地域の国々に対中連携を呼びかける。
 気候変動や感染症対策、食料安全保障といった地球規模の課題に対し、各国が協力する必要性にも言及。先進国主導の国際秩序に新興・途上国で不公平感が広がる現状に配慮し、インフラ整備や経済支援に取り組む姿勢も鮮明にする構えだ。
 バイデン氏は安保理で拒否権を握る中国とロシアが国連の機能不全を助長していると危機感を募らせており、中ロに対する国際社会の圧力を強化したい考えだ。