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認知症新薬25日にも承認 レカネマブ 年内にも実用化へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 製薬大手エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病新薬「レカネマブ」について、厚生労働省が25日にも製造販売を承認する見通しであることが22日、関係者への取材で分かった。病気の原因に働きかける仕組みの「疾患修飾薬」と呼ばれる初の認知症薬となる。
 薬価を決める手続きを経て年内にも実用化される見通しだが、対象が軽度アルツハイマー病患者と、その前段階の軽度認知障害の人に限定されるほか、脳出血などの副作用が一定数報告されるなど課題も多い。
 7月に本承認された米国では標準的な価格は年2万6500ドル(約390万円)。日本でも高額な薬価が予想されるため、財政圧迫も懸念される。また進行抑制の働きは示されたが、病状は回復しないため、患者や家族が効果を実感しにくいという指摘もある。
 8月21日に厚労省の専門部会で承認方針が了承された。この日の部会では、効果と副作用の情報を収集して適正に使用されるよう求める意見が出ていた。
 レカネマブは患者の脳に蓄積し、神経細胞を傷つけるとされるタンパク質に結合して除去する抗体の薬。臨床試験(治験)では症状悪化を27%抑制する効果が認められた。