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地盤改良工事 完成後に沈下の恐れ


地盤改良工事 完成後に沈下の恐れ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 新基地建設が進められる大浦湾の海底には構造物を建てることができない軟弱地盤が広がっており、防衛省は地盤改良工事を計画に追加した。想定しているのは、砂などで造ったくい約7万1千本を海底に打ち込んで地盤を固くする工事だ。
 大浦湾の軟弱地盤は水面下約90メートルの深さまで達しているが、防衛省は同70メートルまでの改良で問題ないと説明している。未改良の地盤が残り、完成後も沈下することが予想され、かさ上げの補修工事などが必要となる可能性もある。
 防衛省は自ら選定した専門家を集めて技術検討会を開催し、改良の内容にお墨付きを得たと考えている。だが、その過程でもさまざまな問題が指摘された。地盤が軟弱であることを示す一部のデータを除外した上で技術検討会に諮っていた。
 全6回開いた最後の検討会で、それまでの議論の土台となった資料に20項目の誤りが判明した。資料の差し替えは38ページにわたり、複数の箇所を修正したページも多い。資料の誤りに気が付いた時点ですでに検討会は5回開かれていたが、うち4回で誤った資料を使っていた。 (明真南斗)