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佐野周作ギターコンサート/表現多彩、映像も駆使


佐野周作ギターコンサート/表現多彩、映像も駆使 スクリーンに抽象的な映像を流しながら、グリ・ビョーンセンの「風景画」を演奏するクラシックギター奏者の佐野周作=2日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 クラシックギタリスト奏者の佐野周作が2日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール小ホールでソロコンサートを開いた。佐野は近代から現代の作品をギター1本で多彩に奏でた。「ギターの父」とも呼ばれるフランシスコ・タレガの名曲「アルハンブラの思い出」などの名曲をはじめ、ギター演奏と映像を駆使した現代作曲家による作品なども披露した。
 冒頭に佐野は「土曜のひとときをゆっくり過ごしてくれたらうれしい」と観客に呼びかけた。スペイン人ギタリストで作曲家のフランシスコ・タレガの代表曲「ラグリマ」「アデリータ」「アルハンブラの思い出」を弾き、柔らかく澄んだ音色で包み込んだ。
 2部ではアイスランド出身のグリ・ビョーンセンの11の小品からなる「風景画」から8曲を選曲して演奏した。佐野自身は、演奏する際に疑問に思ったことを作曲者本人にメールで質問を投げ、作品を掘り下げる工程も大切にしたという。
 ビョーンセン自身が撮影したアイスランドの森林や滝の映像に特殊効果を加えた映像作品をステージの背景に映し、聴き手の感性や想像力をかき立てた。
 終盤には、幼少期から約15年間英国で過ごした思い出を振り返る場面も。英国出身のビートルズや坂本龍一の楽曲などでも魅了し、アンコールの最後に演奏した「芭蕉布」も観客の心をつかんでいた。
  (田中芳)

スクリーンに抽象的な映像を流しながら、グリ・ビョーンセンの「風景画」を演奏するクラシックギター奏者の佐野周作=2日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール