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首相支部、寄付金不記載 ミス含め修正10カ所以上


首相支部、寄付金不記載 ミス含め修正10カ所以上 選挙区支部ではなく、誤って首相個人名で発行していた領収書のコピー(画像の一部を加工しています)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相が代表を務める自民党広島県第1選挙区支部が2021年、他の自民党支部から受けた寄付金10万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが28日分かった。第1選挙区支部のほか、岸田首相の資金管理団体と後援会の収支報告書、選挙運動費用収支報告書でも、寄付を受けた日付や団体名を間違ったケースが計9件あった。不記載を含め10カ所以上の修正が必要となる見込みで、首相の事務所担当者はいずれも「訂正する」としている。
 岸田首相を巡っては昨年、21年分の政治資金や選挙費用に関して、領収書のただし書きや宛名を空欄で受け取るなどの不備や、選挙費用の不記載などが多数判明した。
 首相は今月、内閣改造・自民党役員人事を終え、新体制をスタートさせたばかりだが、閣僚らから政治資金を巡る問題が相次ぎ噴出した。交付金の不記載や、国政選挙に関し国の事業を請け負う業者による寄付禁止への抵触が疑われる事案が、高市早苗経済安全保障担当相や萩生田光一政調会長、小渕優子選対委員長らの政党支部で発覚。政治資金の管理の在り方が問われる事態となっている。
 第1選挙区支部は21年9月21日、自民党広島県柔道整復師連盟支部から10万円の寄付を受けたが収支報告書に記載していなかった。さらに、領収書を選挙区支部ではなく、誤って首相個人名で発行していた。
 不記載のほかに、寄付を受けた政治団体の名称や記載欄を誤ったケースが3件、寄付の日付を間違ったケースが6件あった。これらのミスがあったのは、第1選挙区支部と、資金管理団体「新政治経済研究会」、岸田文雄後援会、岸田首相個人の選挙運動の収支報告書。