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新石垣、宮古空港の滑走路延長を検討 政府、自衛隊の訓練受け入れを条件に 港湾岸壁の拡張や那覇空港の誘導路増設も


新石垣、宮古空港の滑走路延長を検討 政府、自衛隊の訓練受け入れを条件に 港湾岸壁の拡張や那覇空港の誘導路増設も 宮古空港の滑走路に降り立つ航空自衛隊のブルーインパルス=2022年12月
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【東京】公共インフラ整備に防衛省のニーズを反映させる政府の取り組みを巡り、政府が事業の候補として新石垣空港、宮古空港の滑走路延長や、石垣市の石垣港や宮古島市の平良港について岸壁を拡張整備を検討していることが29日、関係者への取材で分かった。那覇港も候補に入っている。

 全国数十カ所の候補地をリストにしており、早ければ2024年度予算に関連経費を盛り込む。日ごろから自衛隊の訓練などを受け入れることが事実上の条件となる。

 関係者への取材で、与那国島(与那国町)での新港整備や宮古島市の宮古空港、石垣市の石垣港、那覇空港が候補地に入っていることが判明していた。

 新石垣空港や宮古空港は現状2千メートルの滑走路を延長して2500メートル以上として安定して大型の輸送機などを離着陸させられるようにしたい考え。那覇空港については誘導路の増設などが想定されている。

 政府はインフラ整備に防衛省・自衛隊や海上保安庁の意向を反映させ、かつ管理者が日ごろの利用を認める場合に「特定重要拠点空港・港湾」に位置付けて優先的に予算措置する考え。近く、国土交通省と内閣府、内閣官房、防衛省が関係自治体と協議を始める。

 木原稔防衛相は29日の閣議後会見で「輸送手段が船舶や航空機に限られる南西諸島には部隊運用上の有用性が高い空港や港湾がある。これらを整備して自衛隊が利用できるようにすることは国民の保護にもつながっていく」と強調した。

 斉藤鉄夫国交相は29日の閣議後会見で、省庁横断の「関係閣僚会議」を8月に開催して「閣僚間で認識の共有を図った」とした上で「現在、国土交通省としても関係省庁と連携して検討を進めている」と明らかにした。一方で「具体的な内容場所などについては検討の調整を丁寧に進めていく必要がある」とし、明言を避けた。

 (明真南斗、安里洋輔)