岸田文雄首相は4日で政権発足から2年を迎えた。低迷する内閣支持率の反転を狙い、経済対策の取りまとめを急ぐ。「減税」や給付措置にも言及し、物価高に対応する姿勢をアピールする構え。衆院議員は今月末に任期4年間の折り返しを迎え、首相がいつ解散に踏み切るかが焦点となる。
首相は3日、政権発足2年となるのを踏まえ「これからも先送りできない課題に一つ一つ正面から向き合い、決断し実行していく」と官邸で記者団に述べた。
岸田政権は、他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や防衛費の大幅増を決め、安全保障政策を転換。原発の60年超運転を可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」を成立させ、抑制的な原発政策を変更した。今年8月には東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を始めた。
今後の課題は物価高への取り組みだ。首相は税収増を国民に還元すると強調し「給付措置、税や社会保障負担軽減などあらゆる手法を動員する」と述べた。(1)物価高対策(2)賃上げと地方の成長(3)国内投資促進(4)人口減少対策(5)国民の安心・安全確保―の5本柱で今月下旬をめどに経済対策を決める。減税を巡り自民党内から「所得税も検討対象」との声が上がる。
首相は経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算案を20日召集の臨時国会に提出すると明言。松野博一官房長官は3日の記者会見で、補正予算案を巡り「政府として提出した以上は、成立に向けて取り組んでいく」と表明した。
このため臨時国会冒頭解散の可能性は低いとの見方が広がる。ただ今月22日投開票の衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の両補欠選挙の勝敗が解散戦略に影響を与えるのは確実。臨時国会で「政治とカネ」問題などが追及されれば、政権の体力がさらに低下する恐れもある。
衆院議員の任期は今月30日に折り返しを迎え、「いつ総選挙があってもおかしくない」(与党幹部)期間に入る。首相は来年9月の党総裁選での再選に向けて求心力を高めるため、慎重に解散時期を探る。
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政権浮揚へ経済対策急ぐ 岸田政権発足2年 支持率反転狙い
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琉球新報朝刊
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