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髪を寄付して社会に貢献/医療用ウィッグ、小学生学ぶ


髪を寄付して社会に貢献/医療用ウィッグ、小学生学ぶ ヘアドネーションに詳しい美容師に伸ばした髪を切ってもらう莉衣紗さん(手前右)。手には既に切られた、寄付する髪を持っている
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「ヘアドネーション」という言葉を最近よく聞く。がんの治療などで毛髪が抜けてしまった人が使う医療用ウィッグのため、伸ばした髪を寄付することだ。

 夏休みの8月末、小学生の親子にその実際を知ってもらうワークショップが開かれた。

 ヘアケア製品を扱う日用品メーカー、ファイントゥデイ(東京)が、昨年から取り組む啓発プログラムの一環で開催した。

 会場となった東京・自由が丘の美容室には8~10歳の10人が集まった。

 まず、医療用ウィッグ作成も手がけるNPO法人全国福祉理美容師養成協会のスタッフが、寄付には31センチ以上の髪が望ましいことやウィッグ一つに4、5人の寄付が必要なこと、毛髪は長さや髪質ごとに分けて使うことなどを細かく説明。

 次いで25歳で乳がんになった元SKE48の矢方美紀さんが、ウィッグは基本、着けたままだが、頭の形に合わせるので踊っても大丈夫だった、などと体験談を披露した。

 子どもたちは熱心にメモを取り、髪の毛の仕分け作業やウィッグの装着体験に目を輝かせた。

 さらに、髪を2年間伸ばしてきた中学1年の莉衣紗さん(12)が、ドネーションのため美容師に実際にカットしてもらう場面も間近で見学した。

 莉衣紗さんは10歳の「ハーフ成人式」の記念でも髪を寄付しており、今回が2回目。前回は15センチしか寄付できず、31センチを目指して伸ばしてきたという。カットを終えた莉衣沙さんは「誰かの役に立ててうれしい。生きているうちに5回は寄付したい」と笑った。

(共同通信)