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外国ルーツの子 どう支援/当事者、言葉の壁やいじめ語る/継続サポートへ資金、人材課題に


外国ルーツの子 どう支援/当事者、言葉の壁やいじめ語る/継続サポートへ資金、人材課題に 外国にルーツのある子どもたちの支援を考える参加者ら=9月22日、那覇市銘苅のなは市民協働プラザ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 外国にルーツのある子どもたちの支援を考えるミーティングが9月22日、那覇市銘苅のなは市民協働プラザで開かれた。県内では、2万人以上の外国人が暮らしており、少なくとも1万4千人以上はアジアにルーツがある。ミーティングは多文化共生へ向け留学生支援を行う団体などが共催し、こうした県内在住の外国にルーツを持つ子どもたちが抱える困難や支援の現状について、情報共有し意見交換した。

 ミーティングは、NPO法人レキオウィングス、NagoVina、多文化ネットワークfu!沖縄の共催。約30人が参加した。
 まず、外国にルーツを持つ3人が自身の経験を話した。外国にルーツを持つ子どもたちが、日本語が話せないことで生じる不安やいじめがあるという現状、資金や人材の面で支援の継続が難しいという課題が出された。
 ベトナム出身のグェン・ド・アン・ニェンさんは、日本語が分からないために学校や勉強の不安を抱えている在沖ベトナム人親子に対し、日本語を学ぶ機会をつくろうと、親子日本語サークルを立ち上げた。このサークルは、居場所づくりにもつながっているという。しかし、資金や人材などの課題も出てきており「子どもたちがやっと慣れてきた時に支援がなくならないよう、継続的な仕組みづくりが必要」と訴えた。
 ブラジル出身で13歳の時に来沖した大城ルシィアンナ美香さんは、言葉の壁のために学校でいじめられた経験を語った。そんな中ではあったが、家族や地域の支えで乗り越えたという。その上で「外国にルーツのある子どもたちと沖縄の子どもたちが、お互いに分かち合う場をつくるべきだ」と語った。
 ネパール出身のポカレル・レサムさんは、11年前に来沖し、その後、妻と子どもも呼び寄せた。レサムさんの子どもは、日本語が全く分からなかったが、ボランティアに日本語学習をサポートしてもらったことで、今では県内の高校に推薦で進学するほどになった。レサムさんは「周りに助けられたことで、沖縄に住み続けたいという気持ちになっていった」と、笑顔を見せた。
 こうした現状や課題に対し、参加者からは学習支援の拡充や予算の確保といった制度に対する意見や、地域とのつながりやお互いを知ることの重要性などの意見が出された。こうした意見を基に今後も話し合いを続け、最終的には自治体に対して要請を行っていく予定だという。
 次回は12月22日に同プラザで開催する。
 (玉寄光太)

外国にルーツのある子どもたちの支援を考える参加者ら=9月22日、那覇市銘苅のなは市民協働プラザ