嘉手納に無人機配備　来月にも、中国軍監視か

米軍の無人偵察機「ＭＱ９」
　海上自衛隊鹿屋航空基地（鹿児島県鹿屋市）に昨年１１月から暫定配備されている米空軍の無人偵察機「ＭＱ９」が１１月ごろから米軍嘉手納基地に配備されることが５日までに複数の関係者への取材で分かった。関係者によると、ＭＱ９の嘉手納配備は沖縄を含む南西諸島での警戒監視態勢強化が目的という。中国軍の動向監視が念頭にあるとみられる。
　防衛省は６日以降に県や嘉手納町、沖縄市などの基地周辺自治体に説明する見込み。
　米空軍が鹿屋基地に暫定配備しているＭＱ９は全８機。配備予定の同型機は８月、鹿屋基地で滑走路をオーバーランし、地上施設に接触する事故を起こした。嘉手納基地周辺では米軍機の騒音被害も激化しており、さらなる負担増となる配備計画への反発が広がりそうだ。
　関係者によると、ＭＱ９の嘉手納基地での駐機場所は近隣住宅地から離れた場所を想定。騒音や排ガスの悪臭が問題となっている元駐機場「パパループ」や旧海軍駐機場を使用する計画はない。
　米軍は８月の事故も考慮し、機体の安全性の確認と再発防止策を図るという。鹿屋基地のＭＱ９はオーバーランの事故後１カ月以上飛行停止していたが、５日午前に飛行を再開した。一方、飛行再開に際し「情報保全」などを理由に米側から事故原因などの詳しい情報開示はなかった。　（安里洋輔、明真南斗）