教育の何たるかを改めて思い知らされる、刮目(かつもく)のドキュメンタリー。
シベリアの遊牧民の子どもたちに10日間だけの教室を開く出張授業の先生。識字率アップを命題に、多言語の飛び交う地域で奮闘する新米先生。児童婚が根強く残る地域で、女性でも人生は選択
していいと熱く説く先生。
どの先生も女性で、自分の子どもを寄宿舎に入れたり故郷に残したり、もしくは自分自身が親に結婚を迫られていたりと、矛盾を抱えている。それでも3人の教育への情熱がゆるがないのは、子どもたちの未来を照らすのには、学びしかないと信じているから。読み書きができなくとも、数が数えられなくとも、生きてはいける。
それでも、知識を得て世界を広げることは彼らが翼を持つことなのだ。翼は、彼らに選択という自由を与える。分からないことだらけで、不安でいっぱいだった子どもたちの目に輝きがともりだす頃、こちらの涙腺は崩壊。監督はエミリー・テロン。
(スターシアターズ・榮慶子)
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世界のはしっこ、 ちいさな教室 シネマパレット・公開中 3先生の学びへの情熱
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琉球新報朝刊
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