ノーベル平和賞の受賞が決まったイランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(親族提供・ロイター=共同)
【オスロ共同=伊東星華】ノルウェーのノーベル賞委員会は6日、2023年のノーベル平和賞を、イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)に授与すると発表した。厳格なイスラム体制下のイランで自由を追求し、女性に対する抑圧や人権侵害を告発。繰り返し逮捕され、現在は刑務所に収監されている。弾圧に屈せず獄中からも活動を続ける姿勢が評価された。 (7面に関連)
委員会は授賞理由で「イランにおける女性の抑圧との闘いと、全ての人々のための人権や自由を促進する闘い」を評価した。レイスアンデルセン委員長は記者会見で、イランの女性の人権状況改善を求める運動が「今後も継続するよう勇気づけたい」と述べた。
モハンマディさんの家族は受賞決定を受け、インスタグラムに「不当な投獄のせいで、彼女の喜びを目撃することができない」と投稿した。
イランでは22年9月、髪を隠すヘジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切だとして当局に拘束された女性が死亡し、抗議デモが各地で起きた。当局は徹底的に弾圧し、死刑執行も相次いでいる。
モハンマディさんは1972年生まれ。2003年に平和賞を受賞した弁護士シリン・エバディさんが率いる非政府組織(NGO)「人権擁護センター」の副代表を務める。
授賞式は12月10日にオスロで開かれ、賞金1100万スウェーデンクローナ(約1億4800万円)が贈られる。
有料
イラン活動家に平和賞 女性への人権侵害告発 獄中のモハンマディさん
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琉球新報朝刊
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