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衆院解散、年内困難に 首相、補正予算成立を優先


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 衆院解散・総選挙の年内実施が困難な情勢になった。岸田文雄首相が20日召集の臨時国会で、経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算成立を優先させる方針を固めたためだ。補正予算成立は11月後半以降が見込まれ、12月に予定される国際会議や24年度予算編成などを踏まえると年内の衆院選は日程上厳しい状況だ。衆院選は来年以降の可能性が出てきた。複数の政権幹部が6日、明らかにした。
 首相は3日の政府与党連絡会議で「今月末をめどに経済対策を取りまとめ、速やかに補正予算を編成し臨時国会に提出する」と表明した。22日投開票の統一補欠選挙の結果や国会情勢などを見極めながら年内解散の可否を最終判断する構え。
 関係者によると、首相は経済対策を取りまとめた直後の衆院解散に慎重な姿勢を周囲に示した。自民党幹部は「補正予算を成立させるなら年内の選挙は難しい」と語った。首相側近は公明党関係者に「年内解散の可能性は低い」と伝えた。
 政府は10月末をめどに経済対策を閣議決定する方針だが、この時期に想定される衆参予算委員会中の決定は質疑に影響を与えるため、11月初旬にずれ込む可能性もある。その後補正予算案編成に入り、国会提出までに2~3週間程度を要するとみられ、国会審議を経て成立するのは11月後半から12月上旬になる。
 12月は24年度予算案と税制改正大綱の決定が控え、16~18日には東京で東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議を予定している。