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カラオケボックス 利用多彩に/「推し活」、ミシン、テレワーク…/防音生かし、「歌わない」プラン


カラオケボックス 利用多彩に/「推し活」、ミシン、テレワーク…/防音生かし、「歌わない」プラン 「カラオケパセラ」の「推し活」プラン。好きな映像を流し、ペンライトを振って声援を送れる
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 大声で歌ってストレスを発散する場所、というイメージの強いカラオケボックスの利用法が多彩になっている。「飲食可能な防音室」という環境を生かしてママ会などを開いたり、作業スペースとして活用したり。企業側も歓迎ムードで、専用のプランやサービスが続々と登場している。

 東京都内と神奈川県、大阪府に展開する「カラオケパセラ」では「歌わないプラン」として、ママ会向けにおもちゃを貸し出すサービスがある。
 きっかけは平日昼間の店舗で、ベビーカーを押した親子連れを多く見かけるようになったこと。「店長がお話をうかがうと『子どもが騒いでも周りに気兼ねなく集まれる場所を探して、カラオケに行き着いた』と。そういう使い方があるのなら、全力で応えようと思いました」と広報担当者。
 小さな子が安全に遊び回れるキッズルームやベビーカー置き場を作り、お子さまメニューなどを充実させたママ会向けサービスは好評を博し、カラオケボックスが「歌う」以外にもさまざまなシーンで活用できることを実感したという。
 同じく利用客の声から生まれたのが、アニメやアイドルのファンによる「推し活」に特化したプランだ。スマートフォンなどを室内の大画面につなぎ、ライブ映像などを鑑賞できる。全11色から選べる「推しカラー」のドリンクやアフタヌーンティーセットも提供。「好きなメンバーやキャラクターのイメージカラーに囲まれて、充実した時間を過ごせる」と人気を集めている。
 趣味や仕事に没頭できる作業スペースを想定したサービスも。東京、神奈川、愛知、大阪の「ジョイサウンド」計4店舗では、2022年から刺しゅうができるミシンの貸し出しを始めた。作業音を気にせず制作に集中できるのに加え「テーブルが広くて裁断などの作業もしやすい」との声が届いているという。
 カラオケ機器にも「歌う」以外の使い方に対応したものが登場。業務用機器「ジョイサウンド」には、エレキギターなどの電子楽器を接続できる機能があり、カラオケ音源との“セッション”が楽しめる。
 「ビッグエコー」では、新型コロナウイルス禍で普及したテレワーク用のプランが人気だ。「仕事向け」と銘打ってあるため1人でも入りやすく、「遊んでいると勘違いされるのでは」という心配も少ない。オンライン会議や打ち合わせのほか、英会話のレッスンなどにも活用されている。

「カラオケパセラ」の「推し活」プラン。好きな映像を流し、ペンライトを振って声援を送れる