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嘉手納配備 期間提示なく 防衛省が3自治体に説明 米空軍無人機


嘉手納配備 期間提示なく 防衛省が3自治体に説明 米空軍無人機 防衛省から説明を受ける渡久地政志北谷町長=6日、北谷町役場
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 【中部】海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)に暫定配備されている米空軍の無人偵察機「MQ9」が米軍嘉手納基地に配備される計画を受け、防衛省は6日、基地周辺の沖縄市、嘉手納町、北谷町を訪れ、計画を説明した。配備は8機で、11月ごろに運用が始まる見込み。嘉手納配備は暫定ではなく、期間の提示はない。
 沖縄防衛局の伊藤晋哉局長らが3市町の首長と面会し、計画に理解を求めた。6日、県にも説明した。首長らは3市町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)で、対応を協議する考え。
 MQ9の嘉手納基地への配備は、沖縄を含む南西諸島での警戒監視・偵察活動の強化が目的。基盤の整った空軍基地からの運用で、効率的な活動が可能になるとしている。今月中に機材搬入など準備が始まる。移駐する隊員は100人以下。
 防衛省の説明によると、同機は滞空時間が32時間と長く頻繁な離着陸がない。騒音は上空120メートル飛行時で約75デシベル程度で、戦闘機と比べて小さい。離陸後は最短距離で洋上へ飛行し、住宅密集地域上空の飛行は極力回避する。複数の飛行制御システムを持ち、航空管制に従って飛行する。駐機場は近隣住宅地から離れた場所としている。
 鹿屋航空基地への配備の際、九州防衛局と鹿屋市で使用協定が結ばれたが、防衛省は嘉手納基地配備で締結は予定していない。住民説明会も現段階で予定はない。
 三連協会長の桑江朝千夫沖縄市長は「東シナ海などでの中国の脅威は認識しており、偵察機配備の必要性は理解できる」としつつ「飛行ルートの徹底を申し入れた」と話した。當山宏嘉手納町長は「騒音や安全性、飛行経路の問題が気になる。説明を十分に尽くしてほしい」と述べた。渡久地政志北谷町長は「基地機能強化は受け入れがたい」とした上で「(配備)期間を明確に示してほしい」と求めた。
 MQ9は今年8月に、鹿屋航空基地で滑走路をオーバーランし、地上施設に接触する事案が発生した。海外では2016年にシリアとアフガニスタンで、22年にはルーマニアの空軍基地近くで墜落している。(石井恵理菜、福田修平)
防衛省から説明を受ける桑江朝千夫沖縄市長=6日、沖縄市役所
防衛省から説明を受ける當山宏嘉手納町長=6日、嘉手納町役場
防衛省から説明を受ける渡久地政志北谷町長=6日、北谷町役場