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ラフマニノフに歓声 琉響46回定演 横山幸雄と共演も なはーと


ラフマニノフに歓声 琉響46回定演 横山幸雄と共演も なはーと 大友直人の指揮でピアニスト横山幸雄とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏する琉球交響楽団=9月10日、那覇文化芸術劇場なはーと
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 琉球交響楽団(琉響)は9月10日、第46回定期演奏会を那覇文化芸術劇場なはーと大劇場で開いた。今年生誕150周年を迎えたロシアを代表する作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)の作品から「交響曲第2番ホ短調作品27」と、ピアノとオーケストラのための「パガニーニの主題による狂詩曲」を披露した。世界的ピアニストの横山幸雄をゲストに迎え、圧巻の共演に観客から惜しみない拍手が送られた。指揮は大友直人、コンサートマスターはゲストの松井直(なおき)が務めた。
 琉響の演奏としては2曲とも初披露の作品。幕開けは、ラフマニノフが晩年に作曲した代表作の一つ「パガニーニの主題による狂詩曲」。主題と24の変奏からなる。パガニーニのバイオリン曲「24の奇想曲」より第24の主題を用いて作曲した。
 冒頭から変化に富んだ旋律が奏でられた。横山の流麗で甘美なピアノの音色を受けるように、オーケストラの迫力あふれる音色が呼応した。一瞬たりとも目の離せない演奏に、終演後は観客からの盛大な拍手と歓声が何度も沸いた。
 横山は自身がアレンジしたラフマニノフ作曲の「ヴォカリーズ」をアンコールで演奏した。ロマンチシズムを感じる旋律の中に込められた情熱的なメロディーを華麗な技で聴かせ、クラシックファンの心をつかんで離さなかった。
 「交響曲第2番ホ短調作品27」は全4楽章から構成される、演奏時間1時間超えの大作。低弦による壮大な響きから始まり、管楽器やバイオリンの華やかな音色が波のように押し寄せ、さまざまな感情を描くようにドラマチックな展開が魅了した。
 琉響の第47回定期演奏会は来年3月9日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで、第48回は同10日に名護市民会館大ホールで予定している。
   (田中芳)
大友直人の指揮でピアニスト横山幸雄とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏する琉球交響楽団=9月10日、那覇文化芸術劇場なはーと