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臨時国会で補正成立明言 首相 年内衆院選 日程厳しく


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は7日、水戸市内での自民党会合であいさつし、20日召集の臨時国会で、経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算案の成立を目指す方針を明言した。「今月中に経済対策を取りまとめて補正予算案を編成し、臨時国会に提出、成立させたい」と述べた。物価高を踏まえ、経済対策を最優先する姿勢を示した形だ。補正予算成立は11月後半以降が見込まれ、12月の内政、外交日程を踏まえると年内の衆院選は日程上厳しい状況だ。
 首相はこれまで、補正予算案を臨時国会に提出する意向を示す一方で、成立には言及していなかった。このため経済対策を争点に、臨時国会冒頭を含む早期に衆院を解散するとの見方もあったが、打ち消しを図ったとみられる。
 首相は会合で、経済対策に関し「多くの国民が物価高に苦しんでいる。今こそ経済成長の果実を国民に還元すべきだ」と説明。給付措置や減税、社会保障負担の軽減に改めて言及した。賃上げや企業の設備投資を後押しし、デフレからの脱却を図る考えも強調した。
 今月中にも経済対策を決定した後、補正予算案の国会提出までには2~3週間程度かかるとされる。11月半ばの提出から国会審議を経て成立するのは11月後半から12月上旬とみられている。12月16~18日に東京で日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議が予定される。
 年末には24年度予算案編成と税制改正論議も控える。ただ防衛増税や少子化対策の財源論が焦点となるため、与党内には「その前に解散した方が得策だ」との声もくすぶる。