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島しょ防衛訓練を公開 石垣駐屯地 空包使用、抗議も


島しょ防衛訓練を公開 石垣駐屯地 空包使用、抗議も 島しょ防衛を想定した訓練を公開する陸自石垣駐屯地の隊員=7日、同駐屯地内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【石垣】陸上自衛隊石垣駐屯地は7日、3月の開設以降初めて施設を一般開放し島しょ防衛を想定した訓練を公開した。軍事車両の体験搭乗や迷彩服の試着ブースなども設け、多くの親子連れらが訪れた。一方、訓練時の小銃や機関銃の空包に「怖い」と漏らす子どももいた。石垣市内の市民団体は駐屯地外で「武力で平和は守れない」と抗議の声を上げた。

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 駐屯地の井上雄一朗司令は「われわれはこの島と皆さんを守るため、戦場にさせないために心と体を鍛えている。その姿を見てほしい」とあいさつした。

 訓練は駐屯地の広場を島に見立て、敵の侵攻部隊と戦闘する想定。接近してくる敵の艦隊30隻を地対艦ミサイル中隊が発射車両を展開し、迎撃する手順を確認した。

 一部上陸した敵部隊に対し、ドローンやバイクなどを使って偵察。武装した隊員が小銃で空包を発射し、制圧した。

 訓練終了後、同じ広場内で、陸地から艦艇を攻撃する12式地対艦誘導弾の発射車両などを展示した。軽装甲機動車の体験搭乗もあった。

 広場に隣接した体育館では自衛官の制服の試着や、顔に緑や黒のカムフラージュメークをするコーナーがあり、子どもらが参加した。

 一方、空包を使用した訓練実施などに反対する「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」は駐屯地に隣接する開南集落の道路沿いで、「石垣島に軍事基地はいらない」などの横断幕やのぼりを掲げ抗議のスタンディングをした。交通量の多い市真栄里の交差点では「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」のメンバーがマイクを握り、「軍事ではなく平和外交で島を守ってほしい」と訴えた。

 (照屋大哲)