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ハマス攻撃 計970人死亡 イスラエル 地上侵攻も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=平野雄吾】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の大規模戦闘で、イスラエルの民放「チャンネル12」は8日、イスラエル側の死者は600人になったと報じた。ガザ保健当局は370人が死亡したと発表。双方の犠牲者は民間人を含め計970人に上った。いずれも攻撃継続の構えでガザ情勢が一層悪化するのは必至。イスラエル政府は治安閣議で「ハマスの軍事力、統治力を破壊する」と決定した。ガザへの地上侵攻に踏み切るかどうかが焦点だ。

 武装勢力の攻撃でイスラエル側にこれほど大きな人的被害が出るのは極めて異例。イスラエルのネタニヤフ首相は7日の治安閣議で「長く困難な戦争に着手する。目的完遂まで制限も中断もない」と強調した。

 イスラエル軍が戦闘目標を激しく攻撃する地上侵攻を行えば、ガザで約2250人、イスラエル側で約70人が死亡した2014年以来となる。ガザ混迷はイスラエルが目指すアラブの大国サウジアラビアとの国交正常化にも悪影響となる。

 ハマスは8日もロケット弾攻撃を継続。イスラエル軍もガザ空爆を続けた。イスラエル南部では侵入したハマス戦闘員とイスラエル治安部隊との銃撃戦が発生した。ハマスはイスラエルの兵士や民間人を拘束、一部をガザ地区内に連行したほか、イスラエル領内で人質に取っている。拘束された兵士や民間人は少なくとも数十人に上るとの情報がある。

 中東のメディアなどによると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの間でも応酬があった。バイデン米大統領は7日演説し「米国はイスラエルと共にある」と述べた。