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辺野古設計変更 知事「承認せず」明言 代執行訴訟30日初弁論


辺野古設計変更 知事「承認せず」明言 代執行訴訟30日初弁論 玉城デニー  知事
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認に関する代執行訴訟を国から提起されたことを巡り、玉城デニー知事は11日、県庁で会見し「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と述べ、承認しない立場を明確にした。訴訟に応訴することを正式に発表し、口頭弁論に自ら立つ考えを改めて示した。第1回口頭弁論は30日午後2時、福岡高裁那覇支部で開かれる日程も決まった。 (2面に関連)
 地方自治法は提訴から15日以内に第1回口頭弁論を開くよう規定する。国は5日に提訴したため、20日までに弁論があるとみられていた。県関係者によると、30日は進行協議で県側が示した候補日の一つだった。
 玉城知事はこれまで「指示期限までに承認を行うことは困難」として判断を見送ってきた。
 国交相が承認の指示期限とした4日を過ぎた後、承認しないと表明した理由については「過重な基地負担を担わされている沖縄の現状で、1日たりとてわれわれが心配しなかった日はあったのか。この現状について主張すべきは主張すべきだと思い至った」と説明した。「平和で静かで安心に暮らしたいという、選挙という手段で思いを寄せていただいた県民の願いをかみしめることも必要だと考えた」とした。
 国側が訴状で、県が承認しない状態を放置すれば着工時期が遅れることになり「著しく公益を害することは明らか」と主張していることに対し、玉城知事は「国のいう公益と県民の考える公益にはかなりかい離がある」と指摘した。「現状でも過重な基地負担を負っているにもかかわらず、固定される基地が建設されることに対する県民の反対の民意は、県民投票や県知事選挙でも明確だ」と述べ、民意を重視した。
 玉城知事は口頭弁論に自ら立つ考えを示し「県民の民意、思いをしっかり伝える。基地負担の軽減をしっかり主張したい」と意欲を示した。 (知念征尚)
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