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旧統一教会に解散命令請求 文科相 きょうにも東京地裁へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 盛山正仁文部科学相は12日に記者会見し、高額献金被害の訴えが相次ぐ世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を決定したと表明した。質問権行使で集めた資料や被害者証言から不当な献金集めを「教団の業務、活動として行った」と認定。不法行為の「組織性、悪質性、継続性」があり、解散命令の要件を満たすと判断した。同日の宗教法人審議会が全会一致で「相当」と了承した。13日にも東京地裁に請求する。 (3面に関連)
 昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、教団による献金被害が問題化。岸田文雄首相が昨年10月、宗教法人法に基づく質問権行使を決断してから約1年で、政府の教団への対応は大きな節目を迎えた。
 宗教法人法は「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があった場合、裁判所が解散を命じることができると定める。
 命令により宗教法人格を失い、税制上の優遇が受けられなくなる。
 文化庁は、献金や物品販売の被害が遅くとも1980年ごろからあったと認定。教団幹部の指示を示す直接的な資料は得られなかったが、正体を隠した勧誘や悩みに乗じて不安をあおる手法が全国的に共通し、一部でマニュアル化されていたことなどから「組織的な構造」と判断した。
 信者だけでなく家族にも深刻な影響を与えているとして、宗教法人法が規定する「宗教団体の目的を逸脱した行為」の解散事由にも該当するとの認識を示した。
 文化庁は質問権を7回行使して教団から資料提出を受け、170人を超える被害者らの証言も得た。
 教団側に賠償責任があるとする民事判決は32件を確認。訴訟を含め調査で判明した被害規模は約1550人で、賠償額や解決金など総額約204億円に上る。