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手術要件「違憲」初判断 静岡家裁浜松支部 性別変更巡り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反するかどうかが論点となった審判で、静岡家裁浜松支部は12日までに「憲法違反で無効」との判断を示し申立人の性別変更を認めた。11日付。弁護団によると、規定を違憲とした司法判断は初めて。 (6面に関連)
 申立人は、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)=浜松市。取材に「同じようにジェンダーを否定されてきた子どもたちに希望を与えられたのではないか」と話した。
 2004年に施行された性同一性障害特例法は、性別変更の要件の一つとして「生殖腺がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を規定。事実上手術を要する内容の是非が議論になっており、最高裁は年内にも憲法判断を示す見通しだ。
 同支部の関口剛弘裁判長は審判理由で、6月にLGBTなど性的少数者への理解増進法が施行された点などを挙げ「法制度的に国民の理解を増進することが求められる社会状況にある」と指摘した。