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県庁地下の湧水槽、洗浄後もPFAS検出 コンクリートの底に残留か 久茂地川に泡消火剤流出


県庁地下の湧水槽、洗浄後もPFAS検出 コンクリートの底に残留か 久茂地川に泡消火剤流出 県庁地下駐車場から、有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が流出したことを説明する(左から)県総務部の金城康司財政統括監、宮城力総務部長、環境部の桑江隆参事=12日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄県庁地下2階駐車場から流出した有機フッ素化合物(PFAS)が久茂地川へ流れていたことが再び判明した。2015年度の消火設備の誤作動で放出されたPFASを含む泡消火剤は、さらに地下の湧水槽に流れ込み、一定の雨水がたまると御成橋付近の配管を通って久茂地川へ排出される仕組み。県によると、この8年間で湧水槽にたまった雨水は幾度か外部へ排出された。それでもPFASが検出される理由は「具体的には不明」としつつ、コンクリート製湧水槽の底にPFASが浸透している可能性を挙げた。

 県によると、槽内の洗浄や雨水の回収には数日を要する。県は応急措置として雨水が別の湧水槽に流れ込むようにするため配管を敷くなどの対策を講じる。その上で雨水回収や湧水槽と配管の洗浄を進める。

 今年6月、県は地下2階駐車場の別の消火設備が誤作動してPFASが流出したが、当時は外部流出していなかったことから公表しなかった。その後9月に久茂地川へ流出したことが判明、同27日に公表が遅れたことを謝罪する会見を開いた。

 この失態を受け今回は10日の調査結果判明後、直ちに会見を開いた。

 6月の流出事案で、PFASは湧水槽から開南小学校側の地下排水升を通り久茂地川へ流れ出ていた。県は12日の会見でこれら湧水槽と地下排水升、久茂地川へ通じる雨水管などを洗浄した上でPFASが残留しているか調査すると、いずれも国の暫定指針値(1リットル当たりPFOS・PFOA合計50ナノグラム)を上回ったと発表した。特に湧水槽は指針値の340倍に当たる1万7千ナノグラムが検出された。県によると、洗浄してもコンクリートの底にPFASが浸透しているとみられる。

 宮城力総務部長は「速やかな対応を心がけたので、いま分かる範囲で公表した。PFASは洗浄しても残留している。関係部局と連携して除去方法を検討したい。また、結果を知らせたい」と話した。

 (梅田正覚)