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ガザ110万人に避難通告 イスラエル、侵攻準備か 日本人退避へ政府手配


ガザ110万人に避難通告 イスラエル、侵攻準備か 日本人退避へ政府手配 イスラエル・エルサレム、ガザ地区、ヨルダン川西岸、レバノン、エジプト、シリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=橋本新治】イスラエル軍は12日深夜(日本時間13日朝)、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ北部の住民に対し、南部へ避難するよう通告した。国連によると対象は約110万人で、期限は24時間。大規模空爆や地上侵攻に向けた動きの可能性がある。イスラエルとハマスの大規模戦闘は14日で1週間。双方の死者は計2800人を超え、緊張がさらに高まっている。 (7面に関連)
 日本政府は13日、イスラエル在留邦人の退避に向け、14日に中部テルアビブからアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに向かうチャーター機1便を手配すると発表した。
 ハマスは13日、イスラエル軍によるガザ空爆で、ハマスが拘束する外国人ら人質13人が死亡したと主張する声明を出した。
 ブリンケン米国務長官はガザから民間人を退避させる人道回廊設置や人質解放を議論するため中東を歴訪。12日のイスラエル訪問に続き、13日にヨルダンを訪れ、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談した。パレスチナ通信によるとアッバス氏はブリンケン氏に「ガザ住民の強制的な移動を拒否する」と伝えた。
 オースティン米国防長官は13日、イスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相らと軍事支援を話し合う。
 ガザ北部には多くのハマスの拠点があるとみられる。イスラエルとハマスの衝突は13日も続いた。イスラエル軍はガザとの境界付近に戦車を集結させ、ハマスは断続的にロケット弾を発射。イスラエルメディアによると、同国側の死者は約1300人。ガザ保健当局によると、ガザ側の死者は1530人。
 イスラム諸国ではイスラム教の金曜集団礼拝に合わせて抗議デモが行われた。イスラエルはレバノンの民兵組織ヒズボラとの軍事衝突も継続した。イスラエルがシリアに攻撃したとの報道もあり、戦火拡大が懸念される。
 ガザ住民の避難期限は現地時間13日深夜とみられるが、イスラエル側は明示しておらず詳細は不明。