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「組織的行為」が焦点 旧統一教会解散請求 結論まで年単位も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求を受け、今後は東京地裁が非公開で手続きを進める。問題とされている被害が、オウム真理教などの解散命令と同じく、組織的な行為と認められるかどうかが焦点になる。最高裁まで争えるため、結論が出るまでに年単位の時間がかかる可能性もある。 (1面に関連)
 オウム真理教については1995年6月、東京地検と東京都が東京地裁に解散命令を請求した。この時、地下鉄サリン事件で松本智津夫元死刑囚=2018年の執行時(63)、教祖名麻原彰晃=らが起訴されていた。95年10月の解散を命じる決定では、サリンの生成は松本元死刑囚の事実上の支配下にあったオウム真理教による組織的行為だと指摘。96年1月の最高裁決定で確定した。
 99年12月、和歌山地裁に解散命令請求があった明覚寺も、既に霊視商法の詐欺罪で幹部が有罪判決を言い渡されていた。地裁は2002年1月、組織的な詐欺行為が宗教団体の目的を逸脱したとして解散を命じる決定を出し、最高裁決定は同年12月だった。
 幹部らが刑事責任を問われていない旧統一教会のケースでは、組織的な関与の有無をどう判断するのか。あるベテラン裁判官は「独自の共通した手法を各地で使い、違法行為を繰り返したと言えるかが判断材料になり得る」との見方を示す。
 税制上の優遇措置が受けられなくなる解散命令は、宗教法人にとって死活問題なだけに「審理は慎重にならざるを得ない」とし「国側、旧統一教会側が繰り返し書面で主張することになるが、必要なら関係者から事情を聴くなど、通常の民事訴訟に近い進め方になるだろう。判断にはある程度、時間がかかる可能性が高い」と語った。