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補選直前に首相演説提案 臨時国会 野党「党利党略」と拒否


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 松野博一官房長官は13日、衆参両院の議院運営委員会理事会にそれぞれ出席し、臨時国会を20日に召集する方針を伝えた。これを受け与党は衆院議運委理事会で同日中に岸田文雄首相の所信表明演説を行いたいと提案した。野党は、召集日に演説を行えば質疑がないまま衆院長崎4区、参院徳島・高知の両補欠選挙の22日投開票となるため「首相だけがアピールする党利党略の日程だ」と批判し拒否した。
 統一補選期間中に国会が召集されるのは2002年以来21年ぶり。所信表明演説に対して与野党各会派が衆参両院の本会議で行う代表質問も実施せず投開票日を迎えるのは異例だ。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は理事会後、自民党の高木毅国対委員長と国会内で会談し、任期途中で辞任を表明した細田博之衆院議長の後任を決めるのが優先されるとして、応じられないと伝えた。16日に再協議する。
 立民の泉健太代表も記者会見で「与党都合の国会運営だ。野党に反論の機会を与えない」と指摘。
 松野氏は衆院議運委理事会で、召集日に関し「与党と相談し総合的に勘案した」と説明するのにとどめた。ただ政府高官は「補選の日程まで考慮して議論していなかった」と打ち明けた。
 野党は所信表明演説の日程は持ち帰ったが、20日の新議長選出や開会式の実施には合意した。