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空自機、ジブチへ出発 邦人退避に「陸上輸送」も


空自機、ジブチへ出発 邦人退避に「陸上輸送」も イスラエル、ジブチ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦・ドバイ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

在留邦人の退避活動に備え、ジブチへ向け小牧基地を出発する航空自衛隊のKC767空中給油輸送機=14日午前
 イスラエルからの在留邦人の退避活動に当たる場合に備え、航空自衛隊の輸送機が14日、アフリカ東部ジブチにある自衛隊拠点に向けて出発した。陸上自衛隊も入り、今回の活動のために編成された統合任務部隊は約420人態勢。防衛省の連絡調整要員22人も同日、周辺国へ向かった。いずれも自衛隊を投入する必要が生じる事態に備える。
 防衛省によると、14日午前、愛知県の小牧基地からKC767空中給油輸送機1機、鳥取県の美保基地からC2輸送機2機が相次いで飛び立った。ジブチ到着は日本時間15日以降の見通し。
 今回の活動は、自衛隊法84条の4で定められた「在外邦人等の輸送」に基づく。木原稔防衛相は13日、上川陽子外相からの要請を受け、自衛隊の国外待機を命令した。統合任務部隊は、空自の輸送機部隊を統括する航空支援集団司令官が指揮官となっている。
 木原氏は13日、ジブチ派遣の位置付けを邦人退避に向けた「準備行為を行っている段階」と説明。2013年のアルジェリア人質事件後の法改正で可能になり、これまで例がない車両を使った「陸上輸送」について「可能性も含め幅を持って検討している」と述べた。
 ジブチの自衛隊拠点では、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾の海賊対処のため、海上自衛隊のP3C哨戒機や陸自の支援隊が活動している。拠点の邦人保護への活用は政府方針となっており、今年4月のアフリカ北東部スーダンからの邦人退避でも使われた。