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ウチナー芝居 再興へ劇団 嘉陽田早苗・朝裕さん親子 「月城」21日旗揚げ


ウチナー芝居 再興へ劇団 嘉陽田早苗・朝裕さん親子 「月城」21日旗揚げ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄芝居役者で琉球舞踊家の嘉陽田早苗さん、朝裕(ともひろ)さんの親子が新たに「劇団月城(つきしろ)」を立ち上げる。21日午後5時、那覇市のてぃるるで旗揚げ公演を開く。長年温めていた親子での劇団立ち上げが実現する。副団長の朝裕さん(36)は「新たな一歩にしたい」と意気込んだ。

 団長の早苗さん(70)は女性の沖縄芝居役者だけでつくる「乙姫劇団」出身。役者の母に憧れた朝裕さんは、「劇団花園」などで沖縄芝居役者として活躍した。
 沖縄芝居の劇団は、団長の高齢化などで活動が縮小傾向だ。朝裕さんは「新たに劇団を立ち上げてウチナー芝居を盛り上げたい」と語る。劇団には、早苗さんが会主を務める玉城流早乙女の会の生徒などを中心に約20人が所属する。朝裕さんは「芝居好きの若い人を育てたい」と、沖縄芝居の継承を見据える。

嘉陽田早苗(前列中央左)と嘉陽田朝裕(同右)が立ち上げた劇団「月城」の団員ら=7日、那覇市首里石嶺町の嘉陽田早苗琉舞研究所

 「月城」と名付けた朝裕さんは「人々を照らす月のように希望や夢を与える劇団にしたい」と名前に込めた思いを明かす。早苗さんは「不安もあるが、周りの人たちの力も借りながら乗り越えたい」と意気込む。

 21日の公演は名作歌劇「中城情話」(親泊興照作、嘉陽田朝裕演出)や時代明朗歌劇「貞女小」(嘉陽田早苗演出)を披露する。一般3千円、高校生以下無料(当日は500円増し)。問い合わせは電話070(5810)6098(事務局)。 (田吹遥子)